『ここで負けてしまってごめんな』岩崎夏海 監修 1話無料公開中!

『運命』

男子野球部員の話

(チームのキャプテンとして活躍していたが、まさかのケガをしてしまう)

寒くて長い冬がすぎ、雪も解け、春になり、GW明けにはじまった春の大会。自分らのチームは順調に勝ち上がり、札幌支部大会の準決勝進出を果たした。「準決勝も勝って決勝進出するぞ」とチームの士気も上がっていた。

その準決勝が運命の試合になろうとは……。

序盤に二点取られてなおも一死満塁のピンチという場面。セカンドのぼくは中間守備を取り、一、二塁間の走路のあたりを守っていた。

カーン! 打球がぼくのところに飛んできた。ボテボテではない普通のゴロ。とっさに「ホームに投げてひとつアウトじゃなくて後ろでゲッツーが取れる!」と判断。そう思ってボールを捕りに行ったとき、「ドン!」という衝撃とともに捕ろうとしていたボールが視界から消え、真っ暗になった。

それから、どのぐらいの時間が経ったのだろう……。

ぼくの名前を必死で呼ぶ声が聞こえて目をゆっくり開くと、真っ暗闇から徐々に徐々に明るくなっていって。そこにはいくつもの顔があり、ボーッとしながらようやく何が起こったのかを把握した。一塁ランナーがぼくにぶつかってきて(守備妨害)、気を失ってしまっていたのだ。

だいぶ長い時間、眠っていたような気がしていたけれど、たった一分半ぐらいのことだったみたい……。

ここで負けてしまってごめんな 岩崎夏海 廣済堂出版

この本は、
名もなき球児たちの
挫折と再生の物語
今を生きている一人一人に
物語がある

『ここで負けて
しまってごめんな』
岩崎夏海 監修
廣済堂出版
定価: 1080円 (税込)
ISBN: 9784331520260

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